キリスト教の発端は嘘か誠か、処刑されて確実に死んだはずのイエスが生き返ったこと。
その「十字架刑・埋葬・復活」の現場がここであると信じられてきました。
有名な「聖墳墓教会」にあるお墓には毎日長蛇の列ができています。
どんな教会?
イエスは39回の肉を引き裂く金具付きのムチを受けたあと、自分の架けられる十字架の横木を担いで、血まみれで刑場まで歩きました。
その道とされるルートを「ビアドロローサ(苦しみの道)」と呼び巡礼者が絶えないのですが、その終点がここ「聖墳墓教会」。つまり、死刑場です。
さらにイエスを納めた墓もすぐ脇にあったため教会は墓である洞窟と刑場である丘を囲む形で建っています。
ちなみにこのお墓、中には何も入っていない空のお墓です。
公式に罪人として刑を受けたのが最期であったにも関わらず、2000年たった今も世界中から押し寄せる人々。この魅力は一体なんなのでしょう・・・。
まるでパズル・・・
日中はあまりにもごった返していて、前にも後ろにも進めない人の多さだったので、次の日の早朝、人の少ない時間に再チャレンジ!
朝5時ごろには開くそう。正面左に空いている門から入ります。
聖墳墓教会は外部・内部ともにエリアによって所有者が違ったり、各時代ごとに破壊と再建を繰り返してきたために、パズルのような複雑な構造・・・。
案内してくれた人の解説も覚えられない!
入ってすぐ目の前にある石の板?はイエスの遺体を十字架からおろし、埋葬準備のために香油を塗ったとされている場所。
毎朝”香油”が新しく注がれ、それを拭って香りを持ち帰る人たちで溢れています。
ゴルゴダの丘
入り口を入ってすぐ右手にあるこの階段の上が、イエスが磔にされた「ゴルゴダの丘」。
階段は、これまでどれだけの人たちが登り降りするとここまで擦り切れるのか?というほどツルツル・・・。
教会の中は、写真でも分かるように装飾がとても豪華!このモザイクを見るだけでも登る価値ありかも。
この場所にかける熱意と情熱が伝わってきます。
十字架が建っていたとされる岩に触れようと多くの人たちが並んでいました。
イエスが埋葬された墓
香油の石版から左へ進むと、また雰囲気の違うドームの中に入ります。
イエスが埋葬された墓を囲むように小さな建物が建っていてそこには「ここにはおられません、よみがえられたのです」と書かれているそう。読めないけど。
ゴルゴダの丘を降りて右へ進むと、地下に降りる入り口が。
この下には十字架発見の礼拝堂があるとか・・・!
ここで十字架が発見された頃までにエルサレムは2度も破壊され、全く違う都市まで再建されていたそう・・・イエスの十字架と復活は果たしてここなのか?!
それよりも興味深かったのは、ガイドさんが教えてくれたこの場所を巡る攻防だった。
最後に・・・
「イエスは人類全ての罪を背負って神の前に刑を受けた」と言われています。
でもここは、その後「聖地」とされながらも多くの血が流され、争いが絶えなかった過去の爪痕が刻まれている場所でもありました。
キリスト教は分派が激しく、歴史的に見ると争いも多いとか・・・。まるでそれを集結させたような場所のように感じます。
愚かな人間の小競り合いが続いてきた場所で、イエスが十字架上で語った有名な言葉が響いてきます。
「父よ、彼らをお赦し下さい。彼らは何をしているのかわからないのです。」
それぞれの聖地を巡りましたが、そのあり方が、各宗教と「人間」というものを露わにしているように感じられて感慨深かったです。
神の前に「悔い改める」場所として今後もこの場所があり続けて欲しいし、私も自分のあり方を見つめ直せる時間でした!
アクセス
エルサレム旧市街内を徒歩で向かいます。
ヤッフォ門(Jaffa Gate)からが行きやすい。(徒歩10分以内)
ステパノ門(Lion’s Gate)からだと「ヴィアドロローサ」を辿った終点にあります。