2023.04.05

「ペサハ」の過ごし方とグルメ

ユダヤ教3大祭り「ペサハ」なんて初耳!のあなたも、あの有名なレオナルド・ダビンチの名画「最後の晩餐」は見たことありますよね?

これがまさにペサハの晩餐の瞬間を描いたものなんです。(ただし、食卓スタイルは西洋風アレンジ)

ユダヤ民族が古代エジプトでの奴隷生活から解放され、モーセの導きによって出エジプトしたことを記念して、3300年程前からキリストの時代はもちろん、現代に到るまで祝われているのです!

2022年のぺサハはコロナ規制もほぼ無くなり、街に活気が復活!(マスクなしでOK。ワクチンを打っていなくても入れます。)イスラエルの政界では、「ぺサハのパン」が問題になり、議員が一人離脱・・・政権崩壊か?!また選挙か?!という騒ぎまで・・・国を動かすほどの問題か?!と思えるかもしれませんが、私たちが考えている重みとは違うようです。

問題となった『ぺサハのパン』はこの祭りの主食「マッツァ」という特別なパン(というよりクラッカー)。 祭りの1週間はイースト入りのふわふわのパンは禁止されているのですが、前日にパンを燃やすほど徹底しています。

photo by:https://images.app.goo.gl/RVzLUUJqE68FkvV66

これは、イスラエル人が古代エジプトから脱出するときのお弁当用に、パンを発酵させて膨らませる時間がなかったことに由来します。

記憶と追体験を通して子供たちに教え伝えるため、イースト無し、発酵無しのカサカサマッツァを食べるのですが、5000年という規模で守られ続けているからすごい。

イベント

photo by:https://images.app.goo.gl/AvvVRjCje8aKPpDX6

人混みを恐れないのなら、ペサハの西壁で、祭司の祝福「ビルカット・コハニーム」を受けてみてはどうでしょう?

少なくとも一度は参加する価値があります。

イスラエルではコロナ規制もほぼ無い状態なので、今年は活気が戻ってきそう。

この「祝福の祈り」は、毎週シャバットに各シナゴーグや家庭でも行われるのですが、年に2度、ペサハとスコットの祭りに毎年何万人もの人々が西壁に集まり、祭司の家系のユダヤ人たち(何百人も!)から歴史的な祝福を受けます。

両手を上げ、群衆の声が一つになる様子は特別な体験…!

3行の詩のような短い祈りですが、イスラエルで最も古いヘブライ文字として出土したのもこの祈りで、古代の昔から特別で力のある祈りです。

ただし!!

広場に確実に入るためにはか・な・り早めの行動を!

この日に旧市街の近くまで車で行くことはほぼ不可能ですので、覚悟して行きましょう。

私は何度かチャレンジして未だにたどり着けていません!(単に出発が遅い)笑

日時と時間は「THE PRIESTLY BLESSING (BIRKAT KOHANIM)+西暦」で検索。

2022年はこちら(※サマータイムで日本との時差は6時間)

ちなみに!西壁にはライブビューイングもあるので、日本にいてもちょこっと味わえるかも???https://www.skylinewebcams.com/en/webcam/israel/jerusalem-district/jerusalem/western-wall.html

ペサハのグルメ

パンと小麦(正確にゆうと小麦、大麦、オーツ麦、スペルト、ライ麦を含み、発酵する物)が街から消えるペサハの期間ですが、知恵を尽くしたペサハグルメが登場するのもこの時期。

小麦を使わないパンだと、とうもろこしやタピオカ粉を使ったパン(反則感あるが。笑)は温めるとモッチモチで日本人好み!私のお勧めはベーグル。

ファラフェルサンドも、小麦じゃないほうが美味しいのでは…とさえ思います。

※温めないとパサパサです。

クラッカーのようなマッツァをどう美味しく食べるか…。現代ペサハの永遠のテーマかもしれません。

こちらはユダヤのお母さんが作ってくれたマッツァボール入りスープ。

photo by:https://images.app.goo.gl/ZpMD28KFart9PtYD7

めちゃくちゃ美味しくてびっくり!パサパサのマッツァから溢れだすスープ!

photo by:https://images.app.goo.gl/A53vwHfGWrvsQPz27

他にもローストしたマシュマロやチーズをサンドしたり、ピザやラザニアに見立てたり、マッツァを駆使した手料理はもはやマジックです。

奴隷時代のレンガ作りを思い起こすために作られるデーツベースのフルーツペースト、「ハロセット」。

こちらも各家庭こだわりの代物で、同じのを食べたことがありませんが、どれも絶対美味しい!!

コレを作るためにデーツペーストは絶対買う私。

ペサハの小麦なしおやつには、ココナツクッキーや「マカルーン」というタヒーナのアーモンドプードルのクッキーなどがあります。これがコーヒーのお供に最高!

ココナツ好きな私は年中あってもいいのにと思う。

デーツとナッツをココアで丸めたロースイーツ、「デーツボール」

この時期はネットでもペサハレシピ!と銘打って美味しいレシピの数々がシェアされています。ペサハにかける情熱と工夫がすごい。

ショッピング

イスラエルで売られている商品には、『ペサハ』に食べられるかどうかのマークがついています。

この期間マークがついていない物は布が掛けられて買えないお店も!

イースト菌と酵母入りの食品は全て食べないので、パンもパスタもスーパーには置いてありません。

なぜ?と思うものについてはペサハの許可マークがない為。

日程

3-4月頃の7日間祝われるペサハ(2022年は4月15日の日没〜22日の日没まで)は、初日と最終日の日没からシャバットと同じように街がストップ!公共交通機関も止まるので要注意です。

そしてもちろんその7日のうちに実際のシャバット(金曜〜)もあるのでややこしい!

特に気をつけたいのが、国立公園などの観光施設も祝日の前日は半日営業だったりとイレギュラーな動きをするので、予定を立てる時には注意です。

もちろんイスラエルの友人にペサハディナーに誘われたらラッキー!

お腹をペコペコに空かせて行くことをお勧めします。(ただしペサハの儀式が長いので、お腹空きすぎは修行。)

宿泊

長期の休みを利用して、海外・国内旅行も多くなる時期なので、航空券や宿泊先はいっぱい!予約は早めにとったほうが◎

ホテルはこぞってペサハのプログラムを用意していたりもします。

車を借りておいて、死海や大自然でのBBQやキャンプ、ハイキングなどを楽しんだりもしていますよ。

せっかくですから、この時期だけのペサハの雰囲気を味わって!