1月1日を元旦とする日本では、12月末からソワソワと新年の準備が始まりますよね?
しかし!ここイスラエルの1月1日は普通の平日。
特にエルサレムに暮らしている人には、6月1日くらいなんでもない平日です。笑
イスラエルの新年は9・10月頃(2022年は9月26日の日没から27日の日没まで)ユダヤ暦「ティシュレイ」の1日から二日間祝われますが、この月は新年から始まってお祭りが目白押し!ほぼ1ヶ月間はホリデーなんです!
イスラエルの新年はスーパー祭りモードに突入するラッパの音。
単に新年と言っても、神が世界を創造した「世界の誕生」を祝っているとか。そして、この1年の神の裁きが下される日でもある・・・日本語で聞くと「神の裁き」って恐ろしく暗い空気が漂いそうな言い回しですが、笑
神が創造したこの世界で、たくさんの祝福を受けたことを、食事をしながら楽しみ、感謝し、祝います。そして、来年はもっと素晴らしい年になるようにと、喜びと希望に満たされる日なのです。
そんなわけで、祭りは最優先事項。
みんな仕事を片付けて、祭りを祝うことしか頭にないので、事務的な手続きも後回し。提出期限が間に合わないままこの月を迎えると…1ヶ月は諦めるほど。笑
日本にあるイスラエル大使館に用事がある時も、祭りが終わるまでは行くのを諦めます。
この時期は、乾季の終わりで、「初めの雨」がやってくる季節。
夏の間一滴も降らなかった雨がカラカラの大地に染み込み、砂埃を洗い流し、街中が潤う様子は、まさにこの土地が祭りを喜んでいるかのようです。
ラッパのお祭り「ロシュ・ハ・シャナー」(ユダヤ新年)

「ラッパの祭り」と呼ばれ、新年が近づくと近所から角笛の音が響きます。
新年には決まった角笛の鳴らし方があり、ただでさえ音を出すのが難しいので、子ども達はお父さんと練習します。
お土産やさんにはいつも売っているので、新年の風物詩に一度トライしてみては?
お店の人は吹いてみせてくれますが、かなりの肺活量とコツが必要です。
私は昔トロンボーンをやっていたので割と自信があったのですが、何度か練習して音を出すだけで精一杯。(あと、角笛はめちゃくちゃ臭い。笑)
雄羊のツノで作られるラッパ「ショーファー」
2日間祝われますが、新年の晩餐は特に家族で過ごします。
神の創造に感謝し、新しい年の祝福を祈りながら特別なごちそうや、日本の「おせち」のようなゲンを担いだ食べ物を食べ、飲み、祈り、歌い、大いに楽しみます!

ロシュハシャナーの名物と言えば、「リンゴにはちみつ」。
あまーい年になるようにと食べられるのですが、イスラエルのリンゴとはちみつって日本とは違うかとっても合うし、美味しく感じる・・・!
特にイスラエルの蜂蜜はお土産もおすすめ。蜂の巣入りや、ナッツ入りも人気です。
photo by:https://www.etsy.com/il-en/listing/815109474/organic-honey-honey-nuts-honey-dessert
そしてこの時期旬のザクロ♪
イスラエルの”7つの祝福”の作物の一つで、宝石のようにギッシリ詰まった実をトーラーの教えに例えたり、多産と祝福を重ねて食べられます。
イスラエルをこの時期に訪れてザクロを食べない手はありません!
日本では高級フルーツで、その効果効能は美のスーパーフード!(種に栄養がある!)
ザクロジュースももちろんこの季節が美味しいのですが、市場で買ってポリポリとタネごと食べましょう!
この時期はおやつに、サラダに、ジュースにと、毎日食べます。肌の調子いい〜!
収穫祭でもあるこの時期、イスラエルは美味しいフルーツがいっぱい!!
デーツやオリーブもこの時期に収穫されます。
美味しいオリーブオイルがセールになったり、搾りたてが出回るのもこの時期。
祭りのシーズンの間にオリーブ詰みのボランティアに参加してみました。古代とあまり変わらない生活を体験する感覚があって、収穫の喜びをリアル体験!収穫そのものも嬉しいはずですが、共に汗をかいて働きながらおしゃべりしたり、休憩時間の食事を楽しんだり、作業効率よりも、働くことそのものを楽しむ空気も印象的でした。
そして、ぜひ紹介しておきたいのが、デーツ!
干し柿のような甘さで、好き嫌いが別れるフルーツ。私も昔は苦手だったのですが、フレッシュデーツを食べてからどハマり!(写真右側の白い霜がついている方)
夏の暑い日に冷凍庫に凍らしておくフレッシュデーツはまるで天然のシャーベット。歯応えも甘さも絶妙!!
あまりにもハマった友人がフレッシュデーツを日本に持ち帰ろうとして、スーツケース内で腐らせた話をよく聞くので、かなり厳しいチャレンジです。フレッシュデーツはぜひ現地で楽しみましょう。
イスラエルにいるといつもハッとする、「今、目の前にある時間や人を楽しむこと」SNSやリモートが当たり前の世界で、忘れずに残したい人間の文化です。
新年を初め、古代から祝われ続けるイスラエルの祭りには、人間にとって大切なものを記憶し、継承していく役割もあると感じます。
あなたも、自分の五感に刻み込む体験をぜひイスラエルで!
シャナトバー!(良いお年を)