イスラエルの数あるお祭りの中でも、最も大切で親しまれているお祭りが、毎週金曜の日没から土曜の日没にもたれる「シャバット(安息日)」。
聖書に記されているモーセの十戒(ユダヤ教の戒律)の一つですが、イスラエルでは宗教的でない人たちも非常に大切にしている文化・伝統でもあります。
「シャバット」を知るとイスラエルの旅がもっと素敵になること間違いなし!
でも・・・知らないと本当に悲惨なことになる可能性大!
一切の労働がお休みなので、公共交通機関は止まり、あらゆるお店が閉まってしまいます。
特にエルサレムの街をおおう静寂は日本の元旦のよう・・・それが毎週やってきます。
観光客にとっては、何かと不便で戸惑うことも多く「恐怖のシャバット!」などと紹介されますが、このシャバットこそイスラエルを知るキーポイントの一つ!
シャバット前とシャバット中のエルサレム
新市街の様子

シャバット前①

シャバット中①

シャバット前②

シャバット中②
ネットで「シャバット中の注意点」を見ていきましたが、「とは言っても、空いてる店もあるでしょー」と、さほど気にしなかったんですが…来てみてビックリ!!
交通機関もお店も本当に稼働しません!想像以上でした・・・(笑)
(数店空いているお店もあるのでまた紹介します。ほんと貴重なお店。)
シャバットは神の定めた「聖なる日」

イスラエルの特徴であり、イスラエルを守ってきたシャバット。
しかし単なる「神の命令だから」というような宗教的規則ではなく、彼らにとっては喜びであり楽しみとなっています。

シャバットは神の定めた「聖なる日」。
強制的に「働くのをやめ」「休む」ことで、他の日と区別します。
それは単なるルールではなく、現代人が忘れがちな生きる上で大切な喜びに気づかせてくれるもの。
全ての人が手を止めて、大切な人と時間を過ごし命を楽しむ為にあります。
宗教的なお母さんは料理もお掃除もお休みするので、シャバット前に掃除と洗濯をし、大量の作り置きをします。シャバットのための料理休暇がある友人も!
その過ごし方は様々で、ルールも各家庭ごとに少しずつ違います。
でもその中心は「礼拝」と「家族」。
シャバットと言えば金曜日の夜のシャバットディナー。
たくさんのご馳走を用意して家族、親族、友人、知人と囲む最も楽しみなひととき。
普段どんなに離れた所にいても、シャバットには集まって家族団欒をする。
金曜日には花束を買ってウキウキとバスに乗る人たちを多くみかけますが、両親や妻へのプレゼントです。
シャバットは「家族への感謝」と「家族のいる喜び」を味わう日なのです。
イスラエルの家族は見ていて本当に仲が良く、強い絆を感じます。

もしかしたら旅行中に友達ができて、シャバットディナーに誘ってもらえることがあるかも?!そうなったら遠慮せずぜひ参加してみてください!

その時、注意すべきは手土産。
肉と乳製品を一緒に食べないなどの「食物規定(コーシャー)」があるので、ワインや花束が無難です。
また、写真を撮ることや携帯を触ることも「働くこと」であるため、失礼のないように使用して良いか確認しましょう。
シャバット中は食事をしながらお喋りを楽しみ、ネットやテレビ、SNSなんて禁止されなくても見ている暇ないよ!というほどに楽しみます。
一週間で一番豪華なご馳走を食べるのも金曜日のシャバットディナー。
裕福な家庭はホテルで過ごす人も多く、金曜のディナーはどこも雰囲気が違います!

シャバット前の金曜のお昼には市場やスーパーは大賑わいです!
もっと知りたいシャバットのこと

働いてはダメなの?
冒頭であった、モーセの十戒の第一戒に「安息日を覚え、これを聖とせよ」とあります。
この「聖とする」とは区別する、他と分けるの意味。
そこから「働く」ことをやめると解釈されていますが、じゃあ何が「働く」ことになるのかという細かい解釈は信仰心、宗派、人により異なるようです。
あれをしてはダメ、これをしてはダメ、という日ではないようです。
私は「働いてはダメ」というより「休むこと」を大切にしているように感じました。
働いてる人もいるのは?
シャバット中、クリスチャンやアラブ人は各々働いていますが、お金のやりとりが「働く」ことであるとされるため、ユダヤ人のお店は全て閉まります。
変わった動きをするエレベーター
ホテルのエレベーターも”シャバット仕様”になります。
ボタンを押さなくても各階に止まるシステム。これも、ボタンを押すことが「働く」こととされるためです。
あまりにも動かないので、初めて見た時は点検中かな?と思っていました。
各階、3~5分止まってたように思います・・・不思議な光景。
シャバット中、何しよう?
テルアビブなどは空いてるお店もあり、あまり影響ないみたいなのでうまく予定を立てればOK!
街以外だと、シャバット中に空いている国立公園などもあります。
特に乾季はキャンプが大人気!自然の中でBBQやハイキングをして過ごしたり、死海へ行くのもおすすめです。
また、アラブの街はシャバットにも開いています。
命に関わる問題においては、救命が優先されます。
日曜日が仕事始めです。
スーパーなどでは、日曜の朝など品揃えが悪かったり生鮮食品も状態がよくない?!なんてこともあるため、金曜日の日没までに必要なものは多めに購入しておくこと◎(場所によっては水曜日あたりまで品揃えが悪いことも)
最後に・・・
「シャバット」それは単なる儀式、守り事ではなく、笑顔溢れる家庭の中のお祭り。そして、イスラエルの家族仲の良さの秘訣のひとつでもあります。
知れば知るほど、なんだか奥が深いです!
慣れていないと観光にはちょっと不便に感じることもありますが、あの独特の静けさとその過ごし方、私は好きです。