2020.03.27

3つの宗教の聖地?!黄金に輝くドーム

エルサレムの中でもひときわ目を引く岩のドーム」。ここも世界中の巡礼者が多く訪れる場所です。

黄金の屋根に、青い幾何学模様のタイルがとても綺麗!

↑この写真はイスラム第3の聖地で、画像は「アルアクサモスク」イスラム教の礼拝堂。

実はこのイスラムのドームが建っている場所(「神殿の丘 / Temple Mount)はイスラム教だけでなく、ユダヤ教、キリスト教にとっても超のつく聖地です。

過去数千年の歴史が複雑に絡み合っていて、今なお微妙な均衡を保ちつつ存在する場所。

複雑だけど、歴史ロマン溢れる物語が至る所に溢れてます!

現在この丘全体がヨルダンの管理下にあり、イスラム教徒の礼拝所となっていて、ユダヤ教徒やその他の非イスラム教徒も岩のドームなどの施設内には入れません。

昔は入場料を払うと観光でも入れていたようですが、その収益がテロのための武器購入などに使わた疑いがあって禁止されてしまったんだとか・・・。

イスラエルで知る「宗教」の存在感はまさに異文化。

ガイドさんが話してくれる内容がすごく興味深った!

1世紀、この丘に建っていたユダヤ教の神殿の模型がセキュリティーを通ってすぐあります。

どうして3つの宗教の聖地と言われてるの?

ユダヤ教徒

黄金のドームの中にある岩は聖書(トーラー)の中で、神に選ばれたアブラハムが息子を生贄として捧げようとした事件がおこった場所。※未遂事件

その後イスラエルのダビデ王がこの丘を買い取り、聖なる場所としました。その場所に息子のソロモン王が神殿を建設。

ソロモンの一つ目の神殿はバビロンによって破壊されますが、ユダヤ人は再び神殿を同じ場所に再建します。

「ここに神の名を置く」とイスラエルの神自身が約束したため、ユダヤ教徒にとって最も神聖な場所ですが、彼らは現在立ち入ることはできません・・・。

なんと、3つ目の神殿を建てることを切望しているグループも少数いるとか?!

キリスト教徒

見逃しがちですが、彼らの信じるメシア(救世主)の「イエス・キリスト」はユダヤ人で、ユダヤ教徒でした。なので聖地であることの理由は上に同じ。

ただ、イエスが十字架刑で死んだ時「神殿の幕が裂けた」と記述されていて、神殿はもはや必要がなくなったのだと解釈されているようです。

また、この丘にはGolden Gate(黄金門)と呼ばれる開かずの門があるのですが、「メシアが再び来る時には黄金門から入って来る」と預言されているため多くのキリスト教徒が注目しています。

イスラム教徒

2つめの神殿がローマによって滅ぼされた後、この地域を支配したイスラム教徒によってアブラハムの岩を囲うようにドームが建設されました。

改修は何度かされていますが、イスラム世界最古の建造物と言われています。

コーランに記述されている「夜の旅」(ムハンマドが一夜にしてメッカから旅をし「遠くにあるモスク」から天に登った話)の場所がここと結びつけられ、信じられています。

気を付けておきたいこと

女性は肌を隠す必要があり、男性も半ズボンでは入れません。

入口でスカートなどを貸してくれますが、できれば入る前から用意しておく方がマナーとして◎

また、他宗教の物を持ち込むのは禁止されているのでお土産などにも注意。(十字架やキッパ、聖書など)

パスポートも忘れずに!

入場時間

金・土・ラマダン期間の午後・イスラム教のお祭りがある祝日は入れません。

入場時間も決まっていますが変更もあるので要チェック!

冬期 7:30~10:30・12:30~13:30

夏期 8:30~11:30・13:30~14:30

webサイト:https://www.touristisrael.com/temple-mount/15944/

最後に・・・

黄金の屋根に青い幾何学模様のタイル。岩のドームは建造物としても美しいし、丘の上にあるからここからの見晴らしもいい!

イスラム教徒以外はドームの中に入れませんが、目の前までいくことができて十分雰囲気を味わえます。

そしてガイドさんや歴史・宗教に詳しい人と行くときっとまた違って見えるはず。

歴史の難しい話が、生き生きと物語に見えてくるような場所の一つです。

アクセス

岩のドームへは、どこから入場できるのかちょっと分かりにくくて私も最初苦戦・・・。

イスラム教徒以外は、西壁の Dung Gate側にあるセキュリティーのすぐ横の小さな入口から登っていく方法と、西壁の出口からの2パターンのみなので注意!

(ちなみにイスラム教徒はエルサレム旧市街内にいくつかある門から入ることができます。入場の際アラビア語で信仰告白を3度唱えるようです。)

西壁の「 Dung Gate」側から

入り口は噴門(Dung Gate)から西壁に向かう通路の途中に見逃しがちなここ。

セキュリティがあるのでパスポートをお忘れなく。

西壁から見えている木製の渡り廊下?を進むと、入口のモロッコ門です。

西壁の広場から行く場合

西壁の広場からも、矢印のある噴門/Dung Gate(南)のセキュリティーを抜け、上記と同じ入り口から入ります。
つまり、異教徒の私たちには入り口はたった一つだけです。