山を作った?!ヘロデの天才建築
ベツレヘムの側、エルサレムから少し離れた場所に、一山を城塞にした遺跡があります。
建築の天才とも言われたヘロデ大王の傑作の一つです。
彼自身の墓もここにあり、ヘロデお気に入りの城だったそう。
エルサレムの中でもマイナーなスポットだけど、眺めもいいのでちょっとしたハイキングにぴったり!お弁当を持って出かけませんか?
春は緑に覆われて美しい姿に変わります。
山を作る?!
この山の上部を切り取ったような形。
実は山の上にさらに土を運び込み、頂上をすり鉢状にするという常識を覆す建築方法で建造されています!!
山を作る・・・壮絶!
ここからは首都エルサレムまでを見渡すことができて、相手からはただの山にしか見えない・・・という、当時の要塞としてはかなりの代物!!
これなら敵襲にも備えられるし、首都が落ちてもすぐ逃げ込めそう。
お風呂・貯水システムも
しかもここにはヘロデの大好きなお風呂まであったりします!
こんな荒れた地で、贅沢の限りを尽くした生活を送れていたヘロデの、只ならぬ権力を感じます・・・!
山の中に通る当時の貯水システムも圧巻。
冒険気分で探検すると楽しい!
そしてもちろんこの抜群の眺め!!
ここでヘロデの墓とされる発見があったのはごく近年の話。
本物はイスラエル博物館にあります。
イエス誕生物語
実はここ、聖書のイエス誕生物語に関わっていると言われています。
東方の国から「メシアを拝みに来た」という占星術の博士たちは、まずこの国のトップ、ヘロデ王を訪問し、メシアの誕生について訪ねたと記述されています。
その時、ヘロデがいた要塞がここヘロディオンだったのでは?とされているのです。
それがどうした?と言われるかもしれませんね。
この時、ヘロデは自分以外の王(メシア)の誕生を怖れ、殺害を決意していました。
そして博士たちに「メシアを見つけたら教えるように」と言い渡します。
なので当時はこのヘロデの言葉を無視することは、死を意味していたでしょう。
博士たちの遠くからの長旅を思えば、かなりのキャラバン隊を組んで来ていたと想像できます。
ここへロディオンが立てば、当時は他の建物も無い荒野ですから、かなり遠くまでキャラバン隊の動きを把握できそうです。
このあと博士たちはメシアを発見後、相当な大回りをして自国へ戻っていったことが伺えます。
そしてこの時、怒ったヘロデは付近の3才以下の赤ちゃんを皆殺しにするという狂気に走りました・・・。
こう聞くと、クリスマスの劇などで見るほのぼのストーリーが、なんだかサスペンスに感じませんか?
真相はどうなんでしょうか・・・。
料金 大人29nis/子供15nis/学生25nis
エルサレム セントラルバスステーションのICC Jerusalemから366のバスで一本。
約50分ほどでヘロディオンの麓へ到着。頂上までは徒歩15分。
最後に・・・
ここヘロディオンは、金曜・土曜のシャバットにも空いているので、エルサレム ですることが無い!なんて日にも日帰りで行けちゃいます。
土曜の朝にはフリーのガイド付きツアーも!
ぜひ調べてみてね。荒野をプチハイキング!