2020.02.28

世界中から祈りに来る壁?!ユダヤ教で最も大切な聖地「西壁」

もともとユダヤ教の神殿の西側を囲む壁だった場所で、西暦70年ローマ帝国によって神殿は破壊され、唯一残ったのがこの「西の壁」。

破壊された神殿や、目を覆い体を揺らしながら祈るユダヤ人の様子などが結びついて「嘆きの壁」と紹介する人もいるけど、そう呼ぶのは外国人だけ。

「西壁(Western Wall)」やヘブライ語で「ハコテル(The 壁)」と呼ばれています。

入り口にある、手と口を清める水場。日本の神社参拝と似てる?!

私も見よう見まねでやってみた。

壁の高さはどれくらい?

壁の高さは、地下に埋まってる部分も含めるとなんと32mもの高さがあります!(地上に出ている部分は約19m)今ある広場も全長の約1/9ほど。

現在も発掘と新発見の続く地下の部分は「ウェスタン・ウォール・トンネル」のツアーや、ダビデの町から西壁まで地下を歩いて見ることができます!

「ウェスタン・ウォール・トンネル」のツアーはとても人気で、事前チケットが取れにくいとか…私もダメもとで現地でキャンセルを聞いたけど空いてなくて断念。ネットでは3ヵ月待ち!

HP:Western Wall Tunnels

ダビデの町から西壁までの道はいつ行ってもOK。必要なのは有り余る体力!

HP:https://www.cityofdavid.org.il/en/tours/city-david/ascend-zion-tour

挟んでる紙ってなに?

壁の隙間には神様への祈りと願いを書いた紙が挟まれています。

西壁にはユダヤ教徒でなくても自由に入ることができて、壁に触れ祈ったり、祈りの紙を挟むことができるのですが、それはこんな記述があるから・・・。

一つめの神殿を完成させたソロモン王は、その日、この場所で民と共に祈ったのですが、その中で「イスラエルの民だけではなく、遠くからここにきて祈る外国人の祈りも聞いてください。」ともイスラエルの神に祈ったそう。

その日から、この地は世界中の祈りが集まるようになりました。

イスラエル人の「世界を祝福する」という考え方、そのスケールの大きさには驚きます。

軍隊の人たちもお祈りに来ていました。

男性のお祈り

ユダヤ人男性が日本の山伏のような格好をして祈っていて奇妙です。

一体何をしているのかというと、聖典である聖書(トーラー)に繰り返し書かれていることばをそのまま実践しているとか。

唱えているのは「神の言葉をかた時も忘れてはならない」ということの、そして写真の様子は、神のことばを「あなたの額と腕に結びつけなさい」の実践。

またイスラエルの国が、子どもの教育に力を入れる伝統も書かれていることの実践。トーラーは生きる指針なんだ・・・と言っていました。

ただ唱えるだけでは無い生活に結びついた教えだと感じます。

「神の言葉である聖書を守り行う=神を愛する(神の民として生きる)」

という公式はアブラハムの子孫である兄弟宗教のキリスト教、イスラム教も同じ。

そのことを理解すると彼らの見ている世界が少し分かるかもしれません。

一神教の世界と多神教の世界は、倫理から違うのです。

ユダヤ教の成人式「バルミツバ」

お菓子を配ったり、飴を投げたり、太鼓を叩いてマーチをしたり・・・運がよければユダヤ教の成人式「バルミツバ」に出会えるかも!

ユダヤ教では男の子は13才、女の子は12才で成人を迎えます。

日本の現代の成人式とはかなり違って、どちらかというと江戸時代の「元服」のような感覚?!

バルミツバは結婚や選挙権には関係がないのですが、聖書の戒律を守ることのできる年齢として、自分の行動に責任を持つ「大人」として迎えられます。

ユダヤ人にとって大切な儀式で、西壁で行う人やホテルや式場を借りる人も。

バルミツバに出会ったら「おめでとう!」と言って一緒に喜んであげてください。

気を付けたいこと

セキュリティーを通ると「西壁」は目の前。

中は向かって左側が男性、右側が女性で分かれています。

男性は入り口で「キッパ」という頭に載せる小さな帽子を借りて入るのがマナー。帽子でもOK。入り口で借りられます。


女性は露出NGなので肩やひざが出ない服装を。入り口で布も貸してくれます。
敷地内トイレ有。

最後に・・・

「聖地」と呼ばれるこの場所は、ひとことでは語れないほどに長い歴史がある。

そして世界中から祈りや願いが届く場所でもある。

歴史や宗教に詳しくなくてもきっと肌で感じるはず。

訪れた際は実際に壁に触れて、イスラエルの神様に願いや祈りを書いてみてください。

アクセス

テルアビブからバスで約一時間ほど。

エルサレムの旧市街はまるで迷路!私はまだ慣れません・・・涙

「The Western Wall」(西壁)と書かれている看板を目印に。

迷ったときは、近くの警察官に聞くと丁寧に教えてくれます。

一番近い門は「Dung Gate(ダンゲート)」(エゲッドバスの1番・3番が通ります)

徒歩で行くなら「Jaffa Gate(ヤッファゲート)」が便利。

「Damascus Gate(ダマスカスゲート)」から入ると英語が通じにくくなるから注意!