ノルウェー出身のイスラエルの友人が、初めて日本を訪問した時…
「信じられない!日本中がクリスマスをお祝いしていたわ!」と非常に驚いていました。
キリスト教国じゃない日本でも、クリスマスの飾り付けが街に溢れ、ジングルベルが聞こえてくる12月…恋人たちがそわそわするせいでしょうか、信仰心がなくてもなぜか雰囲気が盛り上がって来ますよね♪
そしてやっぱり本場のクリスマスに憧れる人も多いのでは?
「西洋諸国のクリスマスマーケットの華やかさや、本物のサンタクロースやトナカイ!キラキラ輝くイルミネーションとツリーに、雪の降る美しい背景と暖かな暖炉を囲むクリスマスの景色♡」
何を隠そう私もそんなクリスマスに憧れて育ち、イスラエルへやって来ました。
日本人の知らないクリスマス「ベツレヘム編」
今パッと思いつくクリスマスの全てのイメージは、西洋のクリスマス…
なんと本当のクリスマスの舞台は、ここ中東なんです!
砂だらけの荒野と椰子、羊を放牧し、雪の降らないノーホワイトクリスマスです!笑
ちなみに緑も赤も無い。あるのは一面砂の色。
はい。私も例にもれず、中東イスラエルのクリスマスには衝撃を受けました。
「なんか違う感」がすごい。(いや、私が違うんでしょうけど)
こちらが12月24・25日、エルサレムの新市街です。
超普通。クリスマス商戦?ありません。笑
ちなみに、12月31日も1月1日も平日なので日本との空気感真逆です。
イスラエルはクリスマスを祝わない?!
そんなクリスマスの舞台の場所なのですが…
クリスマスは、「聖書で預言されているユダヤ人の救い主(メシア)が誕生した!」というお祝いなので、ユダヤ教では認められていないキリスト教のお祭りです。
(アメリカンコロニーなど、クリスチャンの一部コミュニティでは祝われています)
ユダヤ教とキリスト教の間には、この救い主イエスについて、血なまぐさい複雑な歴史があり、ユダヤ人の多くはクリスマスに対して酷いトラウマさえあったりします。(この話、長くなるので今回は割愛)
そんなこんなで、クリスマスの本場であるはずのイスラエルでは、クリスマスの「ク」の字もなく、なぜか日本の方が余程クリスマスを楽しんでいるわけです。不思議なねじれ現象。
キリスト教徒の多くが、クリスマスのイスラエルにやって来てがっかりする…というのが、クリスチャンあるある。
イエスが生まれたのは現在アラブ人の街「ベツレヘム」
この街は西岸地区にある、アラブ人たちの街。
知らない人も多いのですが、ベツレヘムに住むアラブ人たちの中には古くからのキリスト教徒も沢山いて、イスラム教のアラブ人たちと仲良く暮らしています。
ベツレヘムではクリスマスが産業となって街を支えているほど!
イスラム法では、他の宗教の建物は破壊するようにとされていますが、ここベツレヘムにある生誕教会は、古くから生き続ける歴史ある教会で、戦争の最中でも日曜の礼拝を途切れることなく1000年程続けているんだとか。
これは、世界で最も長く守られている礼拝です。
争いも勿論ありましたが、教会がアラブ人を助けた歴史もあり、今となっては共存し、平和を保っているらしい!素敵!
だからこそ、この街にはアラブの文化には無い、西洋のクリスマス風なのがあちこちにあって、なんだか違和感だらけのクリスマス感が漂っています。笑
ツリーもサンタも聖書には出てこない
恋人たちの日では無い。というのは皆さん薄々分かってらっしゃると思いますが、そもそも私たちが知っているクリスマスグッズは聖書には登場しません。
ツリーとか、リースとか、サンタとか、赤とか緑とか、トナカイも煙突も靴下もプレゼントすら…ない。
これらはキリスト教がヨーロッパに渡っていった後、その土地の土着のお祝いを聖書と結びつけていったと言われています。
フィンランドやノルウェーといったセンス抜群の国で生まれ育ったおかげで、現代のクリスマスはきらびやかなんですね~!
そしてこちらが本場ベツレヘムの生誕教会のキラキラです!!
どうですか?なんでしょう…この異国感。笑
世界中から押し寄せてくるキリスト教徒たちが、イエスの生まれた(とされる)場所を一目見よう、ちょっとでも触れよう、そこで祈りたい!と願い年中長蛇の列を作っています。
待ち時間2時間なんてこともざらにあり、ファストパスのような謎のシステムさえ存在します。(地元アラブ人ガイドにお金を払うと先に通してくれるらしい。笑)
特に12月24・25日クリスマス当日のベツレヘムの混雑は尋常ではなく、何度かチャレンジしようとして、未だ行けていません。笑 せっかく住んでいるのに。
しかし、1年中クリスマスの街として存在しているので、ぜひぜひ「アラブ×クリスマス」というワンダーランドへ足を運んでみては?
※西岸地区に行く時は必ず現地の情報を確認してご自身で判断してください。「注意!西岸地区へ訪問する前に必ずチェック!」