古代オリエントの中で最も古い街
古代オリエントの中では最も古い街で、紀元前一万年ほど前から人が住んでいた形跡がありユネスコの世界遺産にも登録されています。
死海から北へ約10km、海抜はマイナス258m。
世界で最も低い場所にあり、一年を通して温暖です。
見渡す限り周囲は荒野ですが、泉が湧くエリコの街だけは緑のオアシスで、古代から現在に至るまで様々な果樹が収穫されています。
分離壁もなく、日本人だと特に、穏やかなアラブの街の雰囲気を楽しむことができます。
ここエリコでのJICAの活躍は有名で、地元の人たちは親日の方も多く、日本人だと自己紹介するととても嬉しそうに歓迎してくれました。ラクダにも乗せてくれた!
今回はそんなエリコのおすすめスポットを紹介したいと思います。
名産はデーツ
聖書時代のエリコは「テル=アッスルターン」の考古学遺跡にあったとされます。
この頃「シュロの街」(ナツメヤシの街)とも呼ばれ、当時からデーツが名産だったことがわかります。
今から3000年程前、エジプトでの奴隷解放を果たしたモーセ率いるイスラエルの民が、40年の旅の果てに神の約束の地「カナン」に入り、最初に攻め取った城壁の街として有名です。(ヨシュア記6章)
その後イエスの時代にも登場し、この街の歴史の長さが伺えます。
エリコ唯一の水源
ひとつめは「テル アッスルターン遺跡」。
ここは、最も古い遺跡がNatufian文明(紀元前8千年〜1万年)のもので、紀元前9600年頃の初期の新石器時代の集落では、泥レンガの丸い家と円形の塔が残っているのを見ることができます。
そのテル アッスルターン近くのスポットに、「エリシャの泉 (’Ein es Sultan Spring)」という場所があります。
この「エリシャ」とは、聖書に出てくる紀元前9世紀に生きたイスラエルの預言者。
当時、エリコにあるこの泉の水が悪く、流産が多かった時、エリコの住人がエリシャに助けを求めました。
エリシャは塩を投げ込み、「神はこう仰せられる、『わたしはこの水を癒した。ここからは、もう、死も流産も起こらない』」と預言し、水は良くなり今日に至っていると聖書に記されている泉です。
ここ、エリコ唯一の水源は一日あたり15,000㎥の水を供給してて、約20,000人のエリコ市民の飲料水、工業・農業用水として使われているとか!
冒険気分で散策
「誘惑の山 (Mount of Temptation )」にある、ギリシャ正教の修道院は景色が良く、冒険気分にもなれる素敵な修道院なのでぜひ上まで登ってみてほしいスポット。「エリコにある「誘惑の山 」」
道中、素敵な砂のお土産も見つかるかも!
ケーブルカーで登る場合↓
車で行く場合は、誘惑の山修道院の山の麓に駐車(無料)して、徒歩で登ります。日差しは強いので水を忘れずに!
砂漠の宮殿
ウマイヤ朝時代の建物のがある、「マフジャールの遺跡(Khirbat Al Mafjar) 」。
この地域に現存したとされる砂漠の宮殿の美しさを止める最後の一つ。
その精巧なモザイクと、漆喰彫刻の壮大さで知られています。
砂岩と焼きレンガで造られた遺跡は見応えあり!「まるでテルマエ・ロマエ?!砂漠の宮殿を見に行こう!」
入場時間:8:00-17:00 入場料:10NIS
大人気のハイキングコース
「ワジ・ケルト(Wadi Kelt )」は、エルサレムからエリコへ続く渓谷沿いにある街道跡。
現在は夏の涸れ川「ワジ」をハイキングするコースとして大人気です!
往復9キロのハイキングコースは、初心者でも楽しむことができます。
さらに最短1〜5キロと選べるので、体力のない人もチャレンジできそう!
ハイキングガイドHP:hike-israel.com
「ゲオルギウス修道院( Mar Jaris (St. George))」は、 エリコから一番近いワジケルトのスポット。
絶壁に張り付くように立つ修道院はなかなかに見応えあり!
映えること間違いなしなので、エリコへの往復の途中に車で寄ってもいいかも!
マニアックスポット
「ヘロデ冬の宮殿(Herod’s Winter Palace / Tulul Abu al-‘Alayiq )」は、目印や説明のないマニアックな遺跡。
ヘロデ時代のエリコの街が掘り起こされています。
美しいモザイク
モザイクセンター(Mosaic Centre)にあるヒシャムの宮殿で、美しいモザイク画を見れます。
ここでは予約をすれば、オリジナルのモザイクアートの制作体験をさせてもらえる!なんだかワクワクする。 ちょっと重いけど・・・家の表札とかにどうだろう?(作品完成には2、3日かかる)
なんと石切バサミなるもので、石を切る?!という作り方!案外ハマる・・・もちろん、モザイク画の展示や、販売もあるから立ち寄るだけでもOK。
可愛いお土産をゲットできるかも?
土~水:8:00~20:00 木:8:00~14:00 (金曜定休)
その他
「シャフワーンの家 ( Shahwan House)」は、テルアッスルターンの北で見つかった5−6世紀頃のユダヤ教シナゴーグ(会堂)跡。
建物の中にはモザイクが残っていて、イスラエルの聖具、契約の箱、メノラー、「イスラエルに平和あれ」のヘブライ文字が描かれている。(2020年2月現在閉鎖中)
「 ザアカイの木」は、樹齢2000年以上のソテツの木で、エリコの中心地のアル・ジュムメゼ広場にあります。
イエスが町を訪れたとき、ザアカイが登った木だと言われており、ただの木なのにみんなが見にくるスポット。一応紹介。笑
「ナビ ムーサ(Navi Musa)」のムーサは、アラビア語でモーセのこと。
モーセは、ユダヤ教でもイスラム教でもキリスト教でも偉大な預言者。
「彼が葬られた場所は誰も知らない」と聖書(申命記34:6)にあるが、ここナビムーサは、イスラム教によってモーセの葬られた場所としてモスクが建てられている。
イスラムの1日5回の礼拝の時間を避ければ無料で入れるそう。
公共交通機関はないので注意。
エリコへのアクセス
車で来た人は、お土産屋さんの「Temptation Tourist Center, Abu Raed」に駐車して色々回るのがおすすめ。
広い駐車場が無料。充実のお土産屋さんと、レストランもあります。
誘惑の山に登るロープウェイ乗り場も近く、およそ紀元前8000年〜10000年の古代文明(Natufian文明)の遺跡「テル・アッスルターン」にも歩いて行くことができます。
※ エリコは、地図ではTel Jerichoと表記されます。(エリコの発音は、「ジェリコ」か「イェリホ」です。)
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※西岸地区に行く時は必ず現地の情報を確認してご自身で判断してください。「注意!西岸地区へ訪問する前に必ずチェック!」